INTORODUCTION | 01.彼らは、何を訴えようとしているのか…?
世界的な経済不況に見舞われる現代。日本の首都、東京を舞台にある二人の若い男女にスポットを当てます。画家を目指す無職の青年と世の中や自分自身に対して失望している孤独な女性。互いを必要としてしまう不器用な彼らは何かが欠落した社会や人々の中で自分の居場所を見つけようと、もがいています。言葉にならない不安や閉塞感。日常に潜む悪意や欺瞞。それらを敏感に感じとってしまう、あまりに繊細な二人の日常をキャメラは表情や呼吸を静かに捉え物語は進んで行きます。
製作から監督,脚本を担当するのは気鋭・田中情。監督デビュー作「キリトル」では何処か諦観した若者の日常を独自の演出で描き多くの賛否両論がある中、渋谷アップリンクで劇場公開され一ヶ月のロングラン上映となった。本作「シンクロニシティ」で現実感のない主人公,岡崎を演じるのは映画やTVドラマで活躍中の若手実力派俳優、小林且弥。ヒロイン緑子には2009年末に惜しまれつつも解散した音楽ユニット、二千花の宮本一粋。映画初出演ながら確かな存在感を見せる。出演者の半数が才能豊かなミュージシャンであるところも、本作に重要なアクセントを与えている。前作のテーマや演出スタイルを踏襲し、より物語性を取り入れ現代人が抱える心の闇や病理性などに深くメスを入れていく意欲作である。
